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Newsletter2022年1月号【ヨコオ】~防水対応コネクタ(規格、仕様、評価方法)

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明けましておめでとうございます。
旧年中はヨコオのNewsletterをご愛読頂き誠に有難うございます。
本年も読者様にご愛顧頂ける様な内容でお届けさせて頂きますので、
本年も引き続き、宜しくお願い致します。

 



2022年最初のNewsletterは、『ヨコオでの防水コネクタ』の取り組みについてご紹介させて頂きます。







【防水の規格について (IP規格)】

現代の電子機器(製品)の多くで耐防水が付与され、防水対応が一般的になってきております。防水性の規格としては、「IP規格(International Protection)」が広く使用され、「IPxx」という標記を目にした方も多いと思います。

IP規格とは、機器の保護性能を表しており、国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)が規格化を行い、機器の保護構造について防塵性・防水性を等級毎に分類し、そのテスト方法を規程しています。
これに基づくIP規格の表示は、世界各国で使用されており、日本では日本工業規格及び社団法人・日本電機工業会がIEC529に準拠してIP規格表を規格化しています。
(JIS C 0920-1993 & JEM1030-1983)

「IP」に続く数字2桁で保護等級を示しており、左が「防塵性能」、右が「防水性能」を表しています。

[IPコード標記例] 
​​​​​​I P 6 7
       ①②​ 
①防塵性能 ②防水性能


[IPコード表(参考)]
[防塵に対する保護]
等級 IPコード 定義
0 IP0x 無保護
1 IP1x 直径50mm以上の大きさの固形物が侵入しない
こぶし大(直径50mm)が危険な箇所へ接近しないよう保護
2 IP2x 直径12.5mm以上の固形物に対して保護
指(直径12mm)での危険な箇所への接近に対して保護
3 IP3x 直径2.5mm以上の固形物に対して保護
工具(直径2.5mm)での危険な箇所への接近に対して保護
4 IP4x 直径1mm以上の固形物に対して保護
針金(直径1mm)での危険な箇所への接近に対して保護
5 IP5x 防塵形
塵埃の侵入を完全には防止できないが、電気機器の動作を阻害する塵埃の侵入があってはならない
針金(直径1mm)での危険な箇所への接近に対して保護
6 IP6x 耐塵形
塵埃の侵入があってはならない
針金(直径1mm)での危険な箇所への接近に対して保護

[防水に対する保護]
等級 IPコード 定義
0 IPx0 無保護
1 IPx1 鉛直に落下する水滴から保護
降水量・水の流量は1+0.05mm/minを10分間
2 IPx2 15度以内で傾斜しても鉛直に落下する水滴から保護
外郭を15度傾斜させ4方向で降水量・水の流量3+0.05mm/minを各位置で2.5分
3 IPx3 散水に対して保護
鉛直方向に対して±60°の位置から散水
(10L/min±0.5L/min 1min/m2 最低5分)
4 IPx4 水の飛まつに対して保護
鉛直方向に対して±180°の位置から散水
(10L/min±0.5L/min 1min/m2 最低5分)
5 IPx5 噴流に対して保護
放水ノズル径6.3mmを使用し距離2.5m~3mの間で12.5L/min±0.625L/min 1min/m2 最低3分間
6 IPx6 暴噴流に対して保護
放水ノズル径12.5mmを使用し距離2.5m~3mの間で100L/min±5L/min 1min/m2 最低3分間
7 IPx7 水に浸しても影響がないように保護
製品の外郭上端から水面までの距離は0.15m
下端から水面までの距離は1m 30分間浸す
8 IPx8 潜水状態の使用に対して保護
水位/時間等、試験条件は協議による。
​​​

ここで「防水」に関して、良くあるご質問事例をご紹介させて頂きます。

【等級が高い(数字が大きい)程、高性能!?】​​​

等級表から見ても、数値が高い方がより厳しい試験を行っているので高性能と思われがちですが、必ずそうとは限りません。例えば、耐防水の場合、IPx5やIPx6の「噴流」に対しての性能とIPx7やIPx8の「浸水/潜水」に対しての試験方法は異なります。製品によっては、浸水/潜水はOKでも噴流はNGという製品もあります。なので、“決して数字が高い=性能が良い” という事では言い表せません。

 

【IPx7って防塵性能は保証していないの?】

製品によっては防塵性能を持っているにも関わらず、表示としてIPx6やIPx7を使っている製品が多々あります。
これは防塵に対しての性能を満たしていない、、、という意味ではありません。
防塵性能を示す①の部分に数字を入れるためには塵等の侵入だけでなく、危険箇所への手指や工具等の接近に対しての保護の基準をクリアする必要が有り、その試験を実施していない為、標記を「x」としています。従い、“「x」標記=性能が無い” という意味ではありません。

 

【IPコードの後ろにアルファベットがあるけど、意味は?】

「IP67DH」の様に、等級数字の他にアルファベットが使用されて表示されている事があります。
このアルファベット部は「付加文字」と言われており、それぞれの防塵性・防水性の試験において、より厳密な定義を表す時に用います。前述の「x]同様、アルファベット表記が無いので性能が悪いという事の意味ではありません。

[付加文字一覧(例)]
補助文字 定義
A こぶし(直径50mm)による接近に対して保護する
B 指(直径12mm)による接近に対して保護する
C 工具(直径2.5mm)による接近に対して保護する
D 針金(直径1mm)の接近に対して保護する
H 高圧機器
M 回転機のロータなどのような電気機器の可動部分を動作させた状態において、水の浸入による有害な影響について試験したもの
S 回転機のロータなどのような電気機器の可動部分を停止させた状態において、水の浸入による有害な影響について試験したもの
W 所定の気象条件のもとで使用が可能であり、付加的な保護構造又は処理を施したもの

[付加文字の標記例]
(例) IP67DH: 耐塵性、浸水性を保有し、針金(直径1mm)の接近を保護した高圧機器の意味
 

事例以外でのご質問がありましたら、下記よりお問合せください。


【ヨコオでの“耐防水”に対しての取り組み】

ヨコオでは、コネクタ自体に直接試験を行う「実試験」と試験実施を想定した「代替え試験」の手法を用い試験を行っております。
実試験は製品に対し実際に水を掛けたり/浸したりする為、専用の設備や試験準備、試験時間等、判定には時間がかかってしまいます。従って、量産検査にて実試験を実施する場合、抜き取り試験で対応する事になってしまいます。

しかし代替え試験では、水を使用せず同様な試験を行う事や連続試験や早期判定が可能な為、量産時には全数検査を行う事が可能になります。​​​​ヨコオでは、この代替え試験の手法を「エアリーク試験」にて対応させて頂いております。

 

【リーク試験】

製品に直接加水する実試験の代替え試験で、主に空気やガスを用い製品に圧を掛け、仮想耐水試験を行う試験方法となります。製品に直接加水しない為、試験自体が簡易で製品に優しく、短時間で判定が可能な為、主に量産時の全数検査で使用されております。

ヨコオでは、コネクタ開発当初より、実試験(加水試験)と空気を使用したエアリーク試験(代替え試験)を併用させて頂き、量産検査を見越したエアリーク試験での検査最適値を算出し、量産時には基本的に全数検査を対応させて頂いております。また、エアリーク試験では水の代わりに空気の圧によって試験を行いますので、IP規格のみならず、その他規格、御社独自の専用規格の対応が可能です。

ヨコオでもカスタム製品になりますが、高圧噴射(高圧洗浄)を想定した“1気圧防水(約1MPa)”に対応したコネクタも生産させて頂いております。(実試験に該当する“高圧噴射器”も信頼性設備として保有しております)
エアリーク試験機一例(ジェイビック社🄬製)

※試験のみの実施もお受けさせて頂きます(ご相談ください)

【防水コネクタのご紹介】

●[新製品] 防水ツーピースブレードコネクタ

ご好評を頂いております「ツーピースブレードコネクタ」に従来の性能を継承しつつ、新たに”耐防水性“を付与した、「防水ツーピースブレードコネクタ」をリリースさせて頂きました。
従来の「ツーピースブレードコネクタ」は、その特徴である“接触信頼性(フローティング構造)”を持つ関係上、複雑な端子構造となっており、防水性の確保が非常に困難でありました。
これまでの防水に対しての取り組みから、当社独自の防水構造を確立させ、防水性の付与と共により堅牢なコネクタへと生まれ変わりました。

<防水構造>
複雑な端子形状に合った防水構造を採用し、
また、レセプタクル側は水による端子間のショート防止のためハウジングで絶縁する構造となっております。


 
防水コネクタ(プラグ&レセプタクル)

レセプタクル側にはOリングによる防水、プラグ側にはシートによる防水を採用した、防水用コネクタになります。
コネクタ装着時に機器(製品)とコネクタ間の防水を確保できる様、各コネクタにはツバ部を設け、機器全体の防水性を確保頂けます。 
(防水方法についての詳細は下記よりご相談ください)






●高速伝送対応防水コネクタ(プラグ&レセプタクル)

前号でもご紹介させて頂きました「高速伝送化に対応したスプリングコネクタ」
こちらにも防水対応を付与させて頂いております。

 ■前号記事「Newsletter11月号(高速伝送コネクタへの取り組み)」 

 ■高速伝送技術の特設ページ



【その他「防水」に関する内容】

これまでの経験と実績から、様々な防水方法のご提案が可能です。
 ・止水技術:Oリング、ラバーシート、接着剤(ポッティング)、両面テープ 等々



また、コネクタ単体の防水以外でのご提案が可能です。
 ・機器(製品)の防水
 ・リード線、ケーブル等の防水


先述記載させて頂きました様、各種防水試験を行い、IP試験外での防水試験も対応させて頂きます。
ご質問、ご要望等、お気軽にお問合せください。




【編集後記】

ヨコオではお客様の声(ご要望)から特定の市場や製品問わず、
日々の改善や新規開発を推進しております。また、お客様の設計や選定等のご負担を軽減できる様、多彩な「標準品のバリエーション」に加え、これまでの経験や実績を活かしたご提案やアドバイス対応等も行っております。

「お困りごと」、「ご要望」、「ご質問」等ございましたらお気軽に「問い合わせフォーム」よりご相談ください。ご質問のみでも構いません。誠心誠意対応させて頂きます。





■これまでの Newsletter■





 

■ヨコオ紹介動画■

​​​​※YouTubeサイトが表示されます。

■ヨコオFC事業部紹介映像■

​​​​※YouTubeサイトが表示されます。
 当社製品に関する要望やご質問はもちろん、
どんなことでも下記お問い合わせリンク先よりお気軽にお問い合わせください。
担当よりご連絡申しあげます。
 
よろしくお願いいたします。


         
 
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2022/01

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